▼新学力アップテストが目指すもの
特定の志望校への合否可能性判断には、難易度、出題内容、設問形式などのいわゆる出題傾向が合致する問題での得点力を測ることが求められ、この機能は『センター試験プレテスト』や『大学別入試プレ』などでご提供させていただいています。大学が求める学力は、アドミッションポリシーや大学が用意する教育課程との整合により決められるため、モノサシもそれに合わせた個別化が必要になるのも当然のことです。
一方、高校で身につけさせるべき学力が一人ひとりの生徒のうちで確実に形成されることも学校という組織に課された最も重要な機能のひとつです。新たに高等学校も対象に加えられた学校評価ガイドラインでは、「児童生徒の学力・体力の状況を把握し、それを踏まえた取り組みの状況」が自己評価の一観点として盛り込まれています。学力形成という目標達成のために、正しい中間検証とその結果を受けた効果的な対応がとられていることが、今まで以上に求められることになりそうです。
検証結果に基づく効果的な対応
他の生徒との比較で優劣という一軸のなかで生徒を並べるだけでは、個々の生徒に相応しいケアを実現することはできません。その生徒に応じた助言を与えると共に優先すべき課題を特定して見せるのは容易なことではありません。
新学力アップテストでは『個人別学力診断』により、教科担当の先生が一人ひとりと面談するのに近い、親身の指導の実現をお手伝いします。
正しい診断に基づく適切なケアとは、分野や領域ごとに適正な評価を行い、個々の生徒について弱点を正確に把握することから始まります。その結果により同じ弱点を持つ生徒の再集団化を図り、目的を絞った補習を実施することが効果的で無駄のない学力形成を実現するのであり、これは学校に求められる機能の一つであると考えられます。総合点を以って生徒を輪切りにして補習対象者を抽出したのでは、補習がカバーする範囲と、生徒にケアが必要な領域との不一致が発生します。補習に呼ばれたのに扱われるのはすでに分かっていることばかりというのでは、時間という生徒の資源を無駄に奪い、部活動や校外活動への参加を阻害することもあるでしょう。逆に、総合点により補習を免れたが、補習の範囲については習熟が不足していた場合には手当ての機会を与えられなかったことになります。
新学力アップテストの『学力要素別抽出−未到達者リスト』は補習クラス編成や個別課題の指定を可能にし、生徒と先生の貴重な教育リソースの適性配分が実現されます。
個々の設問に込めた明確な出題意図が、
ほめるところと優先課題を明らかに
新学力アップテストでは、大問ごとに、そして小問・枝問一つひとつに明確な出題意図を込めて、分野・領域ごとの習熟度を測定します。また、出題者の要求に対する充足度を測るだけの「得点率」や、全体での位置を示すだけの「偏差値」ではなく、その生徒の総合的な学習進捗度に合わせて可変スケールを適用する「正答・誤答指数」という『新解析エンジン』を用いることで、すべての生徒にほめるべきところと、優先的に取り組むべき課題とを同時に示すことを実現しました。
処方とセットになった診断こそが、今後求められるテストのあり方ではないでしょうか。
授業力向上のための組織的取り組みへ
また、学習指導目標の未達成が検知されたとき、対症療法として補習や課題付与という手順をとるだけでは不十分ではないでしょうか。なぜ、目標が達成されなかったのかを教員側での指導方法の中に求め、授業内容や指導計画の見直しを図ることが、継続的な学校力向上に欠かせない仕事になります。生徒側だけでなく、教師の側の課題も見出すことがテストの機能の一つです。
分野・領域ごとのクラス間比較『クラス別学力傾向比較シート』、あるいは学年間比較により、校内に存在する優れた指導ノウハウを掘り起こし、研究授業等の場を通して全体で共有したいものです。新学力アップテストでは、このような授業力向上のための組織的取り組みを想定した作りを目指しました。広く活用できる『学習指導支援ツール』として、教員研修センターが提供する「研究授業実施支援サービス」や「考査問題作成スキル研修」などと相互補完的にご利用いただくことも想定して開発が行われました。



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